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血管内レーザー/高周波治療法について(保険)

2015年12月1日より、新しく保険適用となった血管内レーザー治療の機械です。
特徴は1470nm波長のレーザー静脈の壁に対する作用が強く、しかもレーザーがリング状に照射されるもので、均一な作用が得られる点です。
当院では2015年3月より、自由診療で使用しておりました。

Endthermelaser TM 1470

新しいレーザー治療について

2015年12月から、いままで自由診療でしか使えなかった新しいレーザー治療の機械が保険適用になりました。この機械の特徴は、波長1470nmのレーザーがファイバーの先端からシングルでリング状に放射される点です。
レーザー波長1470nmは水に対する作用が大きく、静脈壁内に存在する水に強く反応し、静脈壁の強い収縮をもたらします。
いままで保険適用だったレーザー波長1470nmの機械はレーザーがファイバーから2重のリング状に照射されていたため、ひとつひとつの照射力は半分になっていました。例えば10ワットでレーザーを照射した場合には5ワットずつに分けられて2回照射されるのです。

血管内レーザー機器 LSO(1470nm)

今回新しく認定された機械は、レーザーの波長は同じですが、レーザーがファイバーからシングルのリング状に照射されるため、すべてのエネルギーが1回にまとまり集中して照射されます。それだけ静脈壁に対する作用が強くなり静脈の収縮が良くなります。
またファイバーを挿入するためのカテーテルというストローのような管もより細くなり、直径は1mm以下。傷もさらに目立たなくなりました。
この新しい機械を用いたレーザー治療のいい点は、まず静脈を閉塞(へいそく)させる力が作用することです。
さらにいい点は術後の快適性にあります。いままでの機械に比べて、さらに術後の痛みが弱くなり、痛み止めを服用される患者さまが少なくなりました。また術後の皮下出血もほとんど見られなくなり、治療部位の色素沈着やツッパリ感も軽減されました。

Radial emitting fiber

血管内レーザー/高周波治療法について

平成23年1月から、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療による血管閉塞(へいそく)法、いわゆるレーザーストリッピングが保険診療可能となりました。従来の外科手術のストリッピング術は、全身麻酔の必要性、切開の大きさ、術後の内出血や痛み、合併症として神経障害、ほとんどの施設では入院が必要、などの理由で、手術をためらわれる方が少なくありませんでした。そうした欠点を減らすため、多くの偉大な先人たちが工夫を凝らした結果、1990年ころから次第に普及していったのが血管内レーザー照射による血管閉塞(へいそく)法です。

そして現在まで、レーザーの機器は改良され、当初問題であった、血管閉塞(へいそく)率、術後の内出血や痛みも、改善されてきました。この5年の間に当院でおこなったレーザー治療の結果も納得のいくものとなっています。

平成23年1月から、特定機器によるレーザー治療が保険適用となり、当院でも早速その機器を導入しました。ただ、その機器は12年程前に開発されたやや古い機器でした。波長は980nmです。工学の世界、医学の世界は日進月歩です。

波長の違いや照射方法は、水に対する吸収率の違いを生じます。一般に波長が長いほど水に対する吸収率は高く、血管の壁そのものに対して作用する力が増すと考えられています。この違いは、臨床結果として現れてきます。結論を言うと、波長980nmの機器による臨床記録は、波長1470nmの機器による記録より多少低いです。血管の閉塞(へいそく)率は多少低下し、術後の内出血や痛みが強く表れます。文献*2参照 ※クリックするとPDFファイルが開きます。(Adobe Acrobat ReaderがないとPDF閲覧できません)

さて、平成26年5月より1470nmのレーザー機器が保険収載されました。この機器はダブルのリング状にレーザーを照射するものです。当院が平成27年11月まで自由診療で用いていた機器との違いはレーザーの照射方法がシングルリングか、ダブルリングかです。

平成26年6月より新たに血管内高周波治療が保険収載されました。レーザーが光で静脈の壁に作用するのに対し、この治療は熱で作用するものです。手術の手技はレーザー治療とほぼ変わりません。治療作用は980nmのレーザー治療とほぼ同様と考えられますが、治療後の痛みが弱いのが特徴です。比較的細く長い血管を治療するのに有効ですが、強く蛇行した血管の治療には不向きと考えています。平成27年12月に1470nmシングルリングのレーザー機器もついに保険適用となりました。

  

血管内焼灼術のいろいろ

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治療法 980nmレーザー 1470nmレーザー
ダブルリング
高周波 1470nmレーザー
シングルリング
使用状況 平成23年1月より
使用中
平成26年5月より
使用中
平成26年6月より
使用中
平成25年3月より
使用中
費用負担 保険診療 保険診療 保険診療 保険診療
使用する
カテーテルの太さ
5F(1.1mm) 6F(1.2mm) 7F(1.3mm) 5F(1.0mm)
記録と合併症 治験記録* 治験記録* 治験記録** 当院実績
血管閉塞(へいそく)率 93.5% 100% 93% 100%
治療直後の
血管収縮度
中等度
980nm
非常に強い(?)
1470nm
中等度
980nm
非常に強い
1470nm
治療後の内出血 56.5%
(程度不明)
7%
(治療部位の1/5以上)
2.2%以下
(治療部位の1/4以上)
1%以下
(治療部位の1/4以上)
治療後の神経障害
(痺(しび)れ・知覚過敏)
1.6% 0% 0% 0%
治療後の深部静脈血栓
(エコノミークラス
症候群)
0% 0% 0% 0%
治療後の痛み 痛み止め
毎食後5日間
痛み止め
毎食後3日間
痛みスケール
1/10以下
痛み止め
頓服のみ

※治験記録には当院はかかわっておりません。

レーザー機器の変遷

【血管内レーザー機器 ELVes(980nm)】保険診療(平成23年1月~)

血管内レーザー機器(980nm)

2011年1月に保険認定された古い機器です。挿入するカテーテルは細いのですが、術後の痛み、皮下出血、ツッパリ感が強く、1470nmダブルリングが保険適用された時点で使用中止しました。

【血管内レーザー機器 ELVes(1470nm)】保険診療(平成26年5月~)

血管内レーザー機器(1470nm)
レーザー

2014年5月に保険認定された980nmの後継機です。980nmに比べて術後の痛みやツッパリ感の減少が得られました。治療記録も良いのですが術後の血栓がやや生じやすい傾向にあります。

【高周波治療器】保険診療(平成26年6月~)

高周波治療器
高周波治療器

2014年6月に保険認定されました。治療する静脈が細く直線的な場合には、治療時間が短く、術後の痛みが弱い利点があります。しかし挿入するカテーテルがやや太く、治療する静脈が太い場合、皮膚から近い場合は、術後のツッパリ感や色素沈着が強い傾向があります。

【血管内レーザー機器 LSO(1470nm)】保険診療(平成27年12月~)

血管内レーザー機器 LSO(1470nm)
Radial emitting fiber

2015年12月に保険認定された新しい機器です。挿入するカテーテルはダブルリングよりやや細く、治療作用が現時点で高いと考えられます。術後の痛みやツッパリ感も他機種より弱い特長があります。

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