どんな病気に対するいかなる治療法にも合併症はつきものです。合併症のない治療はありえません。
身近な病気でいえば盲腸。合併症として、腹部に傷あとが残ります。傷からの感染もありえます。麻酔の後遺症も数日あることがあります。中には大腸の一部を取ってしまったとか、盲腸がなかなか見つからずに大きな切開が必要になったとか・・・。
でも、合併症をなるべく少なく、と考え研究するのが医師の努めと思います。
下肢静脈瘤の治療にも合併症は存在します。
「大伏在静脈」に対して治療する場合の各治療法の合併症をまとめてみました。
レーザー治療 | ストリッピング手術 | 高位結紮術 | |
(日帰り) | (日帰り) | ||
麻酔 | 局所麻酔のみ | 局所麻酔+全身麻酔 | 局所麻酔のみ |
麻酔による合併症 | ほとんど無し | 全身麻酔による覚醒遅延 | ほとんど無し |
手術時間 | 30~45分 | 2~3時間 | 45~60分 |
切開痕の大きさ | 1mm、1カ所 | 3cm、2~3カ所 | 3cm、1カ所 |
術後の痛み | ほとんど無し | ややあり | ほとんど無し |
術後の内出血 | ほとんど無し | 強い | ほとんど無し |
神経の損傷 | ほとんど無し | 時にあり | ほとんど無し |
日常生活開始 | 治療直後から | 翌日頃から | 当日から |
シャワー開始時期 | 当日 | 3~4日後 | 3~4日後 |
入浴開始時期 | 翌日 | 7日後 | 7日後 |
軽度の運動開始 | 5日後 | 1カ月後 | 1カ月後 |
ランニング開始 | 10日後 | 2カ月後 | 2カ月後 |
日常生活開始、運動開始などは個人差があります。